交通事故の後遺症の1つであるバレリュー症候群

交通事故に遭うと様々なところに怪我を負う可能性がありますが、中でも多いのが首の怪我です。首は神経が集まっている人体の急所の1つであり、車に座っている姿勢からダメージを受けやすい場所でもあります。首にはバレリュー症候群という後遺症が残ることもありますが、その症状が他者から分かりづらく、どう証明するかがポイントになります。

バレリュー症候群とは

バレリュー症候群はフランス人のバレーとルーによって報告された症候群であり、その存在は100年近く前から知られていました。首に衝撃を受けることによって眼や耳、心臓などに異常が起こる症候群です。首には神経がたくさん集まっており、それらを伝って眼や耳と繋がることにより刺激が脳へと伝えられる仕組みになっています。

例えば耳をぶつけると「痛い」という感覚がありますが、これは刺激を受けた耳にある細胞からの信号を神経が脳に伝えていることで発生する感覚です。首は神経の通り道なので首が衝撃を受けることにより、その中にある神経にダメージが発生して脳へと間違った信号が伝えられてしまうことがあります。

自律神経症状を主体として神経異常が残ってしまう状態をバレリュー症候群といいます。バレリュー症候群になると痛みや筋肉の凝り、めまいなどが発生します。こういった症状は健康な方であっても一時的に起こることがありますが、バレリュー症候群の方の場合は一時的ではなく継続的に起こります。

しかし、この症状は当人でないと分からず、発症していてもレントゲンなどには異常が見られないといったことが多いので明確に診断を受けられない可能性があります。一般的には交感神経節ブロックの際の反応、腰椎の経年変化の様子などを総合的に判断して、バレリュー症候群であるかの診断を受けます。

自覚症状が強いにも関わらず、他覚的な所見に乏しい病なので多くの患者さんと医師を悩ませています。

交通事故でバレリュー症候群になったときは

バレリュー症候群は交通事故の後遺症として認められているので、発症した際には後遺障害等級認定を受けることが出来ます。バレリュー症候群は後遺障害等級の14級9号に該当する可能性があります。14級は後遺障害等級としては最も軽いものですが、それでも100万円をこえるお金が動きます。

たとえ医師に診断されにくかったとしてもバレリュー症候群の症状が見受けられた場合にはそのことを伝えるようにしましょう。

正式にバレリュー症候群の診断を受けた場合は後遺障害等級の認定を受けられる可能性が高いです。自身がバレリュー症候群を発症していたとしても、病院に行って医師の診断を受けなければ証明をすることは出来ません。また、症状が軽微なケースもあることから事故の直後は気づいていないという場合もあります。

そのため、交通事故に遭ったときには症状が感じられなかったとしても医師の診断を受けることをお勧めします。

診断を受ける前に示談してしまうと、後から怪我が見つかった時に治療費を請求するのがなかなか大変になってしまいます。また、怪我をしてから病院に行くまでの期間が長いと怪我と交通事故の因果関係の証明が難しくなります。

交通事故でバレリュー症候群になった時の症状

バレリュー症候群の症状は多岐にわたっており、めまいや目のかすみ、心臓の痛みなどがあります。特に心臓と首から上に異常が感じられた場合はこの症候群である可能性が高いといえます。その他にも頭痛やのどの違和感などが起こることもあります。

これらの症状は日常の中での不調と似ているので交通事故を原因としているか、自分でも判断できないケースも少なくありません。その点からも医師の診断を受ける必要があるといえるでしょう。

バレリュー症候群の症状固定

バレリュー症候群を後遺障害として認定してもらうには症状固定の診断を受けている必要があります。しかし、症状固定の診断を受けるとそのあと治療を受けることがあれば、自己負担となるので注意が必要です。バレリュー症候群は短期間での完治が難しい怪我ですが、治療によって症状が緩和することが期待できます。

そのため、症状固定の診断を受ける前に適切な治療を受けることが重要となります。バレリュー症候群は医師が見てもなかなか分からないケースも多く、患者さんが明白に症状を伝える必要があります。

一方で相手方の任意保険会社は治療費を支払い続けることを回避するためにある程度のところで症状固定にすることを求めてくることも少なくありません。

たとえレントゲンなどで証明できなくても自覚症状がある限りは主張することをお勧めします。

バレリュー症候群の後遺障害等級認定

交通事故の後遺症については後遺障害等級認定によって区分されており、その等級に応じた慰謝料が支払われます。バレリュー症候群も後遺症の1つなので申請を行えば等級認定を受けられる可能性があります。後遺障害等級認定の手続きは自分で行う被害者請求と、任意保険会社に任せる事前認定という2つの方法が存在します。

しかし、バレリュー症候群は他覚的症状が少なく、慎重に証明を進める必要があるので事前認定として任せてしまうと不利になってしまう恐れがあります。弁護士に依頼するなどして被害者請求を進めていくことをお勧めします。

等級認定としては最も軽い14級であっても、認定を受ければ100万円以上の慰謝料が受け取れる可能性があります。

交通事故にあった後にバレリュー症候群の症状が見受けられたときは

交通事故に遭った場合は警察や相手方の保険会社と話をした後に病院に行くようにしましょう。これはバレリュー症候群の症状が見受けられなかった場合でも同様です。バレリュー症候群など他覚的症状のない怪我の場合はレントゲンで調べても分からないケースがあります。

仮に医師が何ともないと説明したとしても、自覚症状があれば伝えることをお勧めします。患者さんの言葉で別の検査を行うことになり、それまで分からなかった怪我や病が見つかることも少なくありません。診断を受けた後はまず治療を行って症状を緩和していくことが大切です。

治療を始めたことは相手方の保険会社に伝えておきましょう。治療を続けていく中で治療効果が出なくなってくると医師は症状固定という診断をします。この診断がなされた後は後遺障害等級認定の手続きを始める必要があります。

症状固定をした後に症状が悪化した場合は再び治療を受けることになりますが、そのまま治療を受けると治療費は自己負担となります。ただ、その症状が当該交通事故によるものであると認められ、再び治療しても効果があると医師が判断した場合は治療費を受け取れる可能性があります。

いずれの権利についても自動的に行使されるということではなく、自ら主張するか弁護士へと依頼をすることで行使できます。交通事故の被害者となった後に何もしていないと後から治療費を請求できない可能性があるので、病院に行くことと相手側の保険会社への連絡をすることをお勧めします。

参考元(後遺障害(後遺症)とは | 交通事故の慰謝料・弁護士相談ならアディーレ法律事務所)http://www.ko2jiko.com/pickup-koui/